ジュニア版との違い
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本書は『ジュニア版ファーブル昆虫記』の章の構成を組み替え、6巻に文庫化したものです。ジュニア版にくらべてふり仮名が少なくなり、漫画、挿絵、脚注が多少減っています。また、口絵は入っておりません。各巻末には「昆虫とは何か」という書き下ろし解説ページがあります。カバーイラストは鳥山明氏。
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ファーブル昆虫記 文庫版 1巻ふしぎなスカラベ
アフリカの大草原には何億という獣がいて、それぞれがふんをするはずなのに、大地がきれいなのはなぜか。それは、スカラベをはじめとするふん虫の仲間が、あっという間に処理してしまうからである。この虫たちは、自然が循環していることを、見事に見せてくれている。
ツチハンミョウの仲間は、何千もの卵のうち、ごくわずかしか成虫になれない。
神秘とスリルに満ちた生態を解明する。
■文庫判/402ページ ■750円(本体)+税目次ふしぎなスカラベ
- アヴィニョンの五月
- スカラベ・サクレ
- オオクビタマオシコガネ
- ヒラタタマオシコガネ
- アシナガタマオシコガネ
- イスパニアダイコクコガネ
- ツキガタダイコクコガネ
- ヤギュウヒラタダイコクコガネ
- センチコガネ
- ミノタウロスセンチコガネ
ツチハンミョウのミステリー
- スジハナバチヤドリゲンセイのなぞ
- ツチハンミョウの大冒険
- 過変態という変身術
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ファーブル昆虫記 文庫版 2巻狩りをするハチ
ハチはカブトムシの仲間のようにがんじょうな体はもっていない。むしろひ弱な昆虫であるが、毒針をもっている。これは実に強力な武器である。この毒針でハチは獲物の急所をさして麻痺させ、巣穴に入れて卵をうみつける。孵化した幼虫は、獲物の急所をはずしてその肉を食い、生きたまま、空になるまで食いつくす。どうしてそんなことが─それが、本能の不思議なのである。
■文庫判/386ページ ■750円(本体)+税目次- ヴァントゥー山にのぼる
- タマムシを狩るツチスガリ
- ゾウムシを狩るコブツチスガリ
- コオロギを狩るキバネアナバチ
- キリギリスモドキを狩るラングドックアナバチ
- イモムシを狩るジガバチ
- コガネムシを狩るツチバチ
- ハエを狩るハナダカバチ
- ヌリハナバチの帰巣本能
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ファーブル昆虫記 文庫版 3巻セミの歌のひみつ
幼虫時代にキャベツを食べるモンシロチョウの仲間は世界中どこででも見られる。キャベツはもともと地中海の沿岸地方にはえていた野生の植物だった。それを人間がおいしい野菜に改良し、全世界に広めたために、これらのチョウも、それについて分布を広げたのである。しかし、数の多い、じょうぶなそのチョウにも、驚くほど多くの天敵がいる。ひとつの生物だけが繁栄しすぎることは自然が許さない。
■文庫判/362ページ ■750円(本体)+税目次- セミの歌のひみつ
- アリマキと天敵たち
- オオモンシロチョウとキャベツ
- オオクジャクヤママユの超能力
- 日光の中のヒメクジャクヤママユ
- カレハガの昼間の結婚
- マツノギョウレツケムシの行進
- アカサムライアリの道しるべ
- ツリアブ幼虫の死のキス
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ファーブル昆虫記 文庫版 4巻攻撃するカマキリ
肉食の虫は恐ろしいけれどおもしろい。草食の虫よりずっと工夫をしないと、獲物をとらえて生きていくことはできないのだ。獲物をねらうときの歩き方ひとつをとっても、たとえばカマキリは、風にそよぐ葉っぱのように、そろり、そろりと近づいていき、カマの近づく範囲にきたら、それこそ目にもとまらぬ速さでカマをくり出す。虫の世界では、ぼんやりしているものは、食われても仕方がないのだ。
■文庫判/378ページ ■750円(本体)+税目次- ナルボンヌコモリグモ
- ナガコガネグモ
- カニグモ
- ラングドックサソリ
- ウスバカマキリ
- クシヒゲカマキリ
- オオヒョウタンゴミムシの「死んだまね」
- 庭の殺し屋、キンイロオサムシ
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ファーブル昆虫記 文庫版 5巻カミキリムシの闇の宇宙
シギゾウムシは、どうして象の鼻のように長い口をもっているのか。冬の林の中で、一ぴきのシギゾウムシのメスが、ゆっくり、ゆっくり、ドングリに穴をあけはじめた。寒風に吹かれながら、ファーブルはじっと観察を続けている。すると、穴をあけ終わったシギゾウムシは、そこでやめてしまったのだ。この虫は、どうやって卵をうむのか。実はもうひとつの秘密の道具があったのだ。
■文庫判/354ページ ■750円(本体)+税目次虫たちの季節
- 春をいろどるハナムグリ
- 木の中で育つカシミヤマカミキリ
- オオウスバカミキリと昆虫料理
- オトシブミのゆりかご
- 葉巻をつくるホソドロハマキチョッキリ
- シギゾウムシのドリル
人間の生活と昆虫
- エンドウゾウムシと人間の歴史
- 穀物倉の害虫、インゲンマメゾウムシ
自然の(循環/リサイクル)
- 野原の埋葬虫、シデムシ
- キンバエの消化力
- 幼虫をうみつけるニクバエ
- ニクバエの天敵、エンマムシ
終章
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ファーブル昆虫記 文庫版 6巻伝記 虫の詩人の生涯
コムギも、ブドウも実らぬルーエルグの高地。山の中の貧しい家に生まれたファーブルは、都会に出て苦労を重ねる。鉄道【工夫/こう・ふ】をし、レモン売りをしながらも、少年ファーブルは詩にあこがれ、虫の美しさに夢中になっていた。やがて彼は独学で博物学者になる。自分の本当に好きなことに打ち込んでいれば、人に何といわれようとかまわない──その気持ちが永久に消えぬ名誉を彼に与えた。
■文庫判/322ページ ■750円(本体)+税目次山の中の幼年時代
- マラヴァルの農家
- サン・レオンの学校
- 大都市ロデーズ
パンと知識を求めた日々
- アヴィニョンの学生時代
- カルパントラの小学校
- コルシカの海と山
- アヴィニョン高校の名物教師
『昆虫記』を書いた地
- オランジュの家
- ネコの大旅行
- 約束の地アルマス
- ファーブル先生の一日
- アルマスの光の中で